バトル×2 


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サバイバル
*ネタバレを含みます。

オリバトの特性上、サバイバル関係の豆知識や物資がいろんな場面で登場するんですが、そのためには作者である僕自身が当然サバイバル術について知識がなくてはならなくて。下調べ等なかなか大変ですが、面白くもありますね。

■リュックサック
荷物を背中に背負うための袋。原作のディパックもこのくくりにはいります。オリバト4では、厚い木綿のキャンバス地にしてます。これ自体に防水性がありますが、さらに熱した揮発油にワックスを溶かして塗布した設定にしてます。近年設定のオリバトなので、ペットボトルホルダーもつけてみました。案外親切な政府スタッフ。

■ナイフ
多機能ナイフとサバイバルナイフが初期物資に入っています。
武器として特化されたナイフは、ファイティングナイフというらしいです。サバイバルナイフは、遭難時などにそれのみで生存を計れるように設計された、大型のシースナイフ(折りたたみでなく鞘に入れるナイフ)をさし、敵兵との格闘戦も想定されているため、武器としての威力もあわせもつそうです。長期プログラムでサバイバルの要素もあるので、ファイティングナイフではなくこっちにしてみました。
野外生活では刃物は定期的に研がないとすぐに駄目になってしまうそうです。だもんで、朔がナイフを研いでるシーンもはさんでみました。

■マウンテンジャケット
軽量で、コンパクトに収納できる完全防水のジャケット。フード付きでフロントファスナー、両脇に大型ポケットが標準形状のようです。寒暖差が激しく、雨の多い日本(大東亜共和国)の山岳部では、収納性と機能性の両立が重要になってきます。

■ライフジャケット
名前だけ見ると物々しいですが、普通に釣具屋とかでも手に入りますね。固定式と膨張式があって、膨張式は必要時に膨らませて使います。固定式のほうが単純な構造ですね。このオリバトでは固定式のほうを使ってます。佐藤慶介や徳山愛梨は、マウンテンジャケットと同じ感覚で着用していました。

■水難事故
水難事故における二次遭難の確率はかなり高く、オリバト内でも記述したとおり、基本は「可能な限り丘からの救助」だそうです。後は浮力の確保。このオリバトでは政府がライフジャケットを用意してくれてましたが、実際はペットボトルだけでも違いがでるそうです。
心肺蘇生は、ガイドラインによって少し違うんですが、このオリバトでは2005年のものを採用しています。人工呼吸が困難な場合でも胸部圧迫を続けることが重要とのこと。

■食糧
開放物資としては、各種レトルト、米、小麦、缶詰、チョコバーやカロリーメイトのような簡易食糧、ペットボトル入りの水が支給されていますが、十分量ではないので、採取した食糧と組み合わせていく必要があります。
一般的に屋外で採取できる主だった食材としては、野生の木の実やきのこ、野草。魚などの海産物、小型の獣になるでしょうか。小獣捕獲のための罠も開放物資に入れてはいるんですが、実際に使いこなすには獣の通り道や特性の把握が必要となるため、素人の生徒たちには難しいと考え、釣具さえあれば比較的容易な魚類をメインに食べてるシーンをはさんでいます。
◆きのこ類
きのこ類や野草は毒性のあるものあり、素人には扱いが難しい食材です。縦に裂ければ大丈夫、虫が食べていれば大丈夫などのきのこの見分け方は、全て迷信。劇中では凪下南美らが苦しみました。
◆笹浸し漁
束ねた笹を水中に漬けておき、それを寝床にした魚類を捕るという単純な漁。劇中では、凪下南美がしていました。
◆干し魚
内蔵とエラを取り除き、海水で綺麗に洗い、数時間天日に干せば完成です。干す時間を増やせばそれだけ長期保存できます。劇中では朔たちが行っているシーンがあります。南美も作ってますが、彼女の場合は海から遠い場所だったため、塩の錠剤を溶かした塩水を使っています。
◆水団
小麦粉に水を入れてこね、小さく切り分けたもの。これを入れた汁自体をも指します。日本でも食糧難の戦時中によく食されていたそうで、終戦記念日に食べる習慣もあるそうですね。僕は食べたことが無かったので、この機会に食べてみましたが、案外美味しかったです。まぁ、ダシの味なんですけどね。戦時中はろくなダシも取れなかったため、非常に味気なかったそうです。劇中では朔が大河に作ってやっていました。

■排泄
野外での排泄で気をつけなければならないのは、水源への汚染だそうです。川や湖から離れた場所に穴を掘ってうめるといいそうな。普通のペーパーは自然分解されにくいので、一緒に埋めず焼く。代用品は、葉っぱや木の皮、ぼろ布、水など。自然物はそのまま
埋めれます。

■薪
切ったばかりの生木は約50%が水分で、木の種類にもよりますが、1,2年かけて20%程度まで乾燥させる必要があります。新聞紙などはすぐに燃え尽きてしまうので焚きつけには適しておらず、よく乾燥させた細い薪や枯れ枝などを使います。組み木等もコツがいりますので、みな最初は苦労してるように書いています。

■止血
一般的にイメージされる布で縛るなどの処置(止血帯法)は壊死を引き起こす危険性が高く、素人には推奨されていません。傷口を直接圧迫する直接圧迫法と高位保持法の併用が基本ですが、動脈出血の場合は止血点の圧迫が必要になります。

■かんじき
深い雪の上を足を大きく沈めずに進むためのもので、耐曲製のある枝木をU字型にして二つ組み合わせて環にし、その中に縄と枝で網目を作るなどする。作中では大河が作っていました。


 

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