バトル×2 


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ネタバレ名簿
 
 
男子01 雨宮律 あまみや・りつ (主人公) ■死亡
■データ
小柄。小学校高学年と言っても通るような童顔。目が悪く、眼鏡をかけている。右の目元に小さなほくろ。学生服姿。ごく普通のサラリーマン家庭で育っている。歳の離れた姉と、二歳下の弟(明)がいる。
■裏データ
傷害嗜好、殺人嗜好はないが、それらを行う者や、事件そのものに強く惹きつけられる性質を持つ。それ以外は普通の感覚の持ち主で、普段教室で見せていた『明るい普通の中学生』という姿も偽りではなかった。藤鬼静馬の異常性にもプログラム以前から気がついており、探っていた。
■交友関係
三原勇気 藤鬼静馬 新谷華 堀北優美
■加害
■被害
藤鬼静馬(殺害)
■主な経過
プログラムを絶好の機会と捉え、静馬の部屋に侵入し、彼の殺人嗜好の確証を得た。プログラム中の彼の行動を追い、ときには陰で殺戮をアシストした。自分と静馬の生存を天秤にかけ、彼を生かすためにナイフを受け入れ、死亡。
■後書き
気がついた方もいてたと思いますが、律のモデルは乙一さん作「GOTH」の主人公コンビです。最初は、GOTHそのままに、「教室で見せてた顔は偽りで、実は凶悪事件嗜好者」にしようかと思ってたんですが、「教室では普通に見せてたけど、実は……じゃなく、教室の顔も本物にしたほうが(自分的には)面白いな」と思いなおし、律のキャラクターを煮詰めていきました。
今までは、主人公が何かしら前向きになるお話を書いていましたし、どこかしら共感してもらいたいなと思いながら主人公や殺し手側の生徒を書いていましたが、今回の律と静馬はそのへん考えずに書きました。このオリバトのメインは律と静馬になりますので、
終盤戦3〜エピローグ の流れを描き切れたときは達成感がありましたね。
  
男子02 堺篤史 さかい・あつし ■死亡
■データ
小柄な体躯。割合に可愛らしい顔立ちをしており、男にしては長く伸ばした髪と相まって、女の子のようにも見える。学生服。浅慮。
■交友関係
堤香里奈(従姉妹) 和久井信一郎. 須黒ユイ
■加害
■被害
三原勇気(殺害)
■主な経過
背格好の似た律と間違われ、三原勇気に殺される。
■後書き
役割としては堤香里奈の掘り下げと、堕ちていく三原勇気の一つの象徴になります。
 
男子03 藤鬼静馬 ふじおに・しずま 優勝
■データ
さらりとした黒髪、切れ上がった瞳、白い肌、細く長い指先。薄く、朱をさしたような唇。都会的で、落ち着いた佇まい。ジーンズ、スニーカー、黒地のジップアップシャツ。
■裏データ
母親の転地療養名目で、二年前に双葉町に越してきたが、実際は静馬の殺人嗜好を鎮めるためだった。藤鬼家の家政婦を事故に見せかけて殺害。雨宮律にはその異常性を疑われていた。
プログラム以前に6人を事故に見せかけるなどして殺害している。殺人衝動は無差別ではなく、近しい人物、好意を抱いている人物に向けられ、プログラム前から雨宮律や堀北優美の殺人計画を立てていた。いずれは捕縛されると予期しており、そのときは自身のすべてを「殺人鬼」で判押しされてしまうだろうと、彼なりに悔しく思っていた。
ピアノ教室で出会った鈴野巴と一時期付き合っていた。自室の本棚は推理小説が占めている。絵を描くことを趣味にしており、その技術は確かなもの。連続殺人を犯す一方で、ごく普通の中学生の一面もあった。
■交友関係
雨宮律 三原勇気 新谷華 堀北優美
■加害
堀北優美(殺害) 
須黒ユイ(傷害) → (殺害) 
和久井信一郎(殺害)
西村千鶴(殺害)
新谷華(傷害) → (殺害) 
三原勇気(傷害) → (殺害)
雨宮律(殺害)
■被害
須黒ユイ(傷害)
三原勇気(未遂)
■主な経過
プログラム中に7人を殺害し、そのうち数人、以前から殺人衝動を抱いていたクラスメイトの身体の一部分を収集した。須黒ユイは当初はターゲットではなかったが、死に際の毒舌に命の輝きを感じ、担当教官に交渉し、その録音テープを得ようとした。
雨宮律が本質的な部分から共感してくれたことに驚き、もう二度と彼のような人物は現れないと、殺害を躊躇した。
■後書き
実在したほとんどのシリアルキラーが家庭環境に恵まれず、虐待を受けるなどの経験があるようです。そして、ターゲットを虐待、レイプ。高知能と言われる秩序型の多くもこのパターンにあてはまります。残虐行為はともかくとして、レイプは「秩序」っぽくないなぁと常々思っていたので、静馬にはこの要素は入れませんでした。狂気に関しても、環境からくる狂気だと、どうしても静馬に悲劇性が生じてしまうので、静馬の家庭環境も良好にしました。静馬に殺人の言い訳をさせたくなかったんです。
   
男子04 三原勇気 みはら・ゆうき ■死亡
■データ
太い眉、背が高く、整った容貌。学生服姿。
雨宮律の幼馴染。正義感が強く、一本木だが、事の機微に疎い部分もあり、律によくフォローされていた。新谷華とは彼氏彼女の関係だったが、華とのある種の緊張感に疲れ、西村千鶴ののんびりとした明るさに惹かれていた。
■交友関係
雨宮律 藤鬼静馬. 新谷華(彼女) 堀北優美
■加害
堺篤史(殺害)
藤鬼静馬(未遂)
■被害
藤鬼静馬(傷害) → (殺害)
■主な経過
プログラムの現実に心折れ、次第に変わっていった。最後には堺篤史を雨宮律と間違い殺害し、静馬も襲おうとした。
■後書き
もともと変化話が好きで、どのオリバトでも中心人物は何かしら変化するんですが、今回のオリバトでは律と静馬に変化がほとんどない設定だったので、勇気にその要素をふんだんに盛り込みました。彼が変化し、その変化に苦しみ、やがて崩れていく姿にも注目していただけたら幸いです。
  
男子05 和久井信一郎 わくい・しんいちろう ■死亡
■データ
背が高い。学生服姿。ユイに引きずられる形で素行がよくなかった。
■交友関係
須黒ユイ 堺篤史 堤香里奈
■加害
■被害
藤鬼静馬(殺害)
■主な経過
一度はユイとの合流を拒否。しかし思い直し喫茶店から出たところで、静馬の餌食になる。
■後書き
窓の外から血糊がべったりついて……のシーンは前から場面として書きたかったシーンでした。僕は人並みに怖がりなのですが、特に『窓』に恐怖を感じます。「窓の外に何か恐ろしいものが見える」「窓ガラスに何か恐ろしいものが映る」……ホラームービーなどで、僕がより強く恐怖を感じるシーンです。
 

 














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